健康経営って、結局「会社のため」でもある
最近、ちょっと気になるニュースがありました。
RIZAPグループとSOMPOホールディングスが、社員の運動習慣と仕事の生産性について実証研究を行っているというものです。
約1万人の社員を対象に、chocoZAPを自己負担0円で利用できる環境をつくり、運動習慣や心身の状態、仕事への影響などを調査。
開始から3カ月の時点で、かなり興味深い結果が出ています。
例えば、プロジェクト開始前には「汗をかく運動を全くしていなかった」という社員のうち、約40%が3カ月後には月1回以上の運動を始めたそうです。
さらに、「運動をまったくしない人」の割合も、
58.1% → 34.0%
まで減少。
週2回・30分以上運動する人も、
17.1% → 26.0%
まで増えています。
ここまでは、
「会社が社員の運動をサポートしたら、運動する人が増えました」
という話に見えるかもしれません。
でも、本当に面白いのはここからです。
運動すると、仕事にも影響する
今回の調査では、肩こり・腰痛・疲労感などの改善だけではなく、「プレゼンティーイズム」の改善も確認されています。
プレゼンティーイズムとは、簡単に言えば、
出勤はしているけど、身体の不調などによって本来のパフォーマンスを発揮できていない状態
のこと。
例えば、
「今日は腰が痛いな……」
「肩が重くて集中できない」
「寝不足で頭が回らない」
「疲れていて仕事に集中できない」
こういう状態でも、とりあえず出勤して仕事をする。
会社からすると「出勤している」ので見えにくいのですが、実際には仕事の生産性が落ちている。
これって、かなり大きな問題だと思います。
今回の調査では、chocoZAPの利用回数が増えるほど、プレゼンティーイズムの改善度が高くなる傾向が確認されました。
さらに、その改善を給与をもとに経済価値へ換算すると、1人あたり最大で月5,640円相当になるという試算も出ています。
もちろん、これはあくまで今回の研究に基づく試算です。
ただ、
「運動=健康のため」
だけではなく、
「運動=仕事のパフォーマンスにも関係する」
ということを考えるきっかけにはなると思います。
健康経営は「福利厚生」だけじゃない
僕はここが一番大事だと思っています。
健康経営というと、
「社員のためにジムを用意する」
「健康診断を充実させる」
「福利厚生を増やす」
みたいなイメージを持つ人もいると思います。
もちろん、それも大切です。
でも本質は、
社員が健康で働ける環境をつくることが、結果的に会社の生産性や業績にもつながる
ということじゃないでしょうか。
社員が腰痛や肩こりで悩んでいる。
疲れが抜けない。
運動不足になっている。
体重が増えてきた。
睡眠の質が落ちている。
こういった問題は、本人だけの問題に見えます。
でも、社員が100人、500人、1,000人といる会社なら、その影響は会社全体にも出てきます。
一人ひとりの「ちょっとした不調」が積み重なれば、企業としては決して小さな問題ではありません。
だからこそ、
社員の身体を整えることは、会社への投資にもなる。
僕はそう考えています。
「病気になったら対処する」から「不調になる前に整える」へ
日本では、どうしても健康というと、
「病気にならないようにする」
という考え方が強いように感じます。
もちろん病気の予防は大切です。
でも、それだけではありません。
病気ではなくても、
「最近、ずっと疲れている」
「腰が痛い」
「肩が凝る」
「体力が落ちた」
「階段がしんどい」
「運動する時間がない」
という状態はあります。
こうした小さな不調を放置していると、仕事にも日常生活にも少しずつ影響してくる。
だから僕は、
「まだ病気じゃないから大丈夫」ではなく、「今の身体をより良い状態にしておく」ことも健康経営の一つ
だと思っています。
運動のハードルを下げることも重要
今回の取り組みで個人的に面白いと思ったのが、運動習慣がなかった人にも変化が見られたことです。
運動が好きな人だけが健康になる必要はありません。
むしろ、健康経営で大切なのは、
「運動が好きじゃない人でも始められる環境」
をつくることだと思います。
いきなり週5回ジムに行く必要はない。
毎日1時間運動する必要もない。
まずは週1回。
10分でもいい。
身体を動かす習慣をつくる。
そこから少しずつ変わっていけばいい。
実際、運動をしていなかった人が動き始めるだけでも、身体の状態が変わる可能性があります。
会社が「健康」を後回しにしない社会へ
働く人にとって、身体は仕事をするための「資本」です。
パソコンや設備に投資するのと同じように、
人の身体や健康にも投資する。
これからは、そんな考え方がもっと当たり前になっていくんじゃないかと思っています。
社員が健康になる。
身体の不調が減る。
仕事に集中できる。
生産性が上がる。
そして、仕事だけではなく、家に帰ってから家族との時間や趣味を楽しめる。
健康経営って、単純に「会社のため」だけじゃないんですよね。
働く人の人生そのものを良くすること。
その結果として、会社も良くなる。
僕は、これが健康経営の理想的な形だと思っています。
岐阜・各務原でパーソナルトレーニングやコンディショニング整体をしている立場としても、こうした「働く人の身体を支える」という部分には、もっと関わっていきたいと思っています。
身体が変われば、仕事も変わる。
そして、人生も変わる。
健康経営は、これからの企業にとって「余裕があればやるもの」ではなく、もっと重要な経営戦略の一つになっていくのではないでしょうか。
