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筋トレは「重さ」だけじゃない。

科学が変えたトレーニングの常識

トレーニングの世界には、長い間「常識」とされてきた考え方があります。

それは
「筋肉を大きくするには重い重量が必要」
というもの。

この考え方のベースになっているのが、
American College of Sports Medicine(ACSM)が2009年に発表した
レジスタンストレーニングガイドラインです。

このガイドラインでは

筋肥大には1RMの70%以上の高強度が必要

とされています。

つまり
「重い重量でトレーニングすること」が
筋肉を大きくするための基本とされてきました。

しかし近年、スポーツ科学の進歩によって
この考え方に少しずつ変化が起きています。


筋肉は「重さ」ではなく「刺激量」で成長する

最近の研究では、
筋肉の材料になる筋タンパク質の合成をミクロレベルで測定できるようになりました。

その研究の中で分かってきたのが

筋肉の成長は、重さだけで決まるわけではない

ということです。

例えば
Kumarらの研究では

筋タンパク質の合成率は

1RMの20〜60%までの強度では、強度に比例して増加する

しかし

60%以上では大きく増えなくなる

という結果が報告されています。

つまり

重さをどんどん増やしても
筋肉の合成が無限に増えるわけではない
ということです。


軽い重量でも筋肉は成長する

さらに面白い研究があります。

Stuart M. Phillips研究グループの
Nicholas A. Burdらは

次の2つの条件を比較しました。

①高強度トレーニング

・90%1RM
・約5回で限界

②低強度トレーニング

・30%1RM
・約24回で限界

そしてどちらも
限界まで実施しました。

すると結果はどうなったか。

低強度×高回数の方が
筋タンパク質の合成率が高かった

という結果が出たのです。

理由はシンプルです。

疲労困憊まで行うと

・遅筋(タイプⅠ)
・速筋(タイプⅡ)

両方の筋線維が動員される

からです。

つまり

軽い重量でも、しっかり追い込めば筋肉は成長する

ということです。


大事なのは「総負荷量」

ここで大切になる考え方が

総負荷量(ボリューム)

です。

これは

重量 × 回数 × セット

で考えます。

例えば

40kg × 10回 × 3セット
=1200kg

20kg × 20回 × 3セット
=1200kg

この場合

総負荷量は同じ

になります。

最近のトレーニング理論では

この総負荷量が筋肥大の重要な要素

と考えられています。


セット数にも限界がある

もう一つ面白い研究があります。

James W. Kriegerのメタ解析では

1セットより複数セットの方が
筋肥大は大きい

という結果が出ています。

しかし

ここにも限界があります。

Kumarらの研究では

3セットと6セットの間で
筋タンパク質合成に差が出なかった

のです。

これは

anabolic limit(同化の限界)

と呼ばれています。

つまり

やればやるほど成長するわけではない

ということです。


現場で感じていること

これは僕自身、パーソナルトレーナーとして感じていることでもあります。

重い重量を扱うトレーニングは
確かに効果があります。

ただ

・初心者
・女性
・運動が苦手な人
・腰や膝に不安がある人

この人たちにとって

高重量トレーニングはハードルが高い

ことも多い。

そんなとき僕がよく伝えるのは

「軽くてもいいから、丁寧に回数を重ねましょう」

ということです。

フォームを意識して
筋肉をしっかり使い

最後の数回がきつくなるところまでやる。

これだけで

身体は確実に変わります。

むしろ

無理な重量でフォームが崩れるより
安全で効果的な場合も多い。


トレーニングは「続くこと」が最強

結局のところ

トレーニングで一番大切なのは

続くこと

です。

どんなに理論的に優れていても
続かなければ意味がありません。

だから僕は

「最も優れたトレーニングは
続けられるトレーニング」

だと思っています。

重い重量でも
軽い重量でもいい。

大切なのは

筋肉にしっかり刺激を与え
継続すること。

それが結果的に

身体を変え
人生を変える力になります。


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岐阜/各務原 身体の土台を整え、「変わりたい」を「変われた」へ導く専門家。理学療法士として培った知識をもとに、姿勢や動作、生活習慣までトータルでサポート。一人ひとりの身体と向き合い、内側から輝く美しさと自信を引き出します。

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