「思います」を「やります」に変えるだけ。
― 錨を上げ、オールを握る生き方 ―
人は変わりたいとき、こんな言葉をよく口にします。
「来月こそ痩せたいと思います」
「時間に余裕のある生活をしたいと思います」
「もっと自分を変えたいと思います」
だけど、 思います という言葉は、
実はほとんど現実を動かしてくれません。
なぜなら、思いますは、
願望の影が頭に浮かんだだけで、具体的な行動がまだゼロの状態だからです。
例えるなら、思います のあなたは
船の錨が下りたまま、海を眺めている人。
行きたい景色は見えているのに、
船は動かない。
「思います」は錨が下りたままの状態
船の錨(いかり)は、海の底に沈んでいる間、
どれだけ追い風が吹こうが動きません。
これは人の行動もまったく同じ。
・痩せたいと思います
・朝活したいと思います
・習慣を変えたいと思います
これらは全部、
錨が下りたままの状態です。
あなたの中には“行きたい未来”があるのに、
現実が一歩も前に進まない理由はそこにあります。
でも、「します」は違う
錨が上がり、あなたの手にオールが戻ってくる
しますという言葉は、
錨のロープを引き上げる行為に近い。
たった一言なのに、
船を静止状態から出航モードへ切り替えるスイッチになる。
そして します と言った瞬間、
あなたの手には オール(行動の道具) が戻ってきます。
あとは水をひと掻きするだけ。
船は確実に前へ進む。
どんなに小さな動きでも、確実に距離になる。
心理学的にも「思います」は進まない
行動心理学では、人の行動は
意図(intention) と コミットメント(commitment) に分かれます。
● 思います = 意図
● します = コミットメント
脳がまったく別のモードに入ります。
①「思います」は願望モード
思います の段階では、脳は
未来を想像するだけで少し満足してしまう
という現象(バーチャル達成感)が起きます。
そのため行動のスイッチが入らない。
錨が下りたまま、風だけ感じている状態です。
②「します」は実行モード
します と言い切ると、脳は
ツァイガルニク効果(未完了の課題に注意が残る性質)
によって、
・いつやる?
・どこでやる?
・何から始める?
を自動で考え始めます。
つまり します は
脳がオールを握る状態。
行動の準備が勝手に整い、前に進む。
③ 言葉が思考をつくり、思考が行動をつくる
人は、自分の口癖どおりの行動パターンを生きます。
「思います」を多用する人は
可能性を永遠に未来へ送ってしまう。
「します」を使う人は
可能性を現在に回収し、動き出す。
言葉はただの言葉じゃなく、
人生の舵です。
◆今日からひとつだけ変えてほしい言葉
× 来週から運動しようと思います
○ 明日10分のストレッチをします
× 食習慣を整えたいと思います
○ 今夜は間食をしません
× 変わりたいと思います
○ 今日、この瞬間から ひとつ 行動します
たったこれだけで、
あなたの船の錨は上がり、
オールはあなたの手に戻ってきます。
◆変わることは難しくない
必要なのは「決意の名言」でも「完璧な計画」でもない。
ただひとつの言葉。
「思います」から「します」へ。
その瞬間、あなたの船は止まらなくなる。
静かに、でも確実に前へ進み始める。
