スクワットがうまくできないのは「足首」と「股関節」に原因がある
スクワットといえば、“筋トレの王様”。
下半身を中心に全身の筋肉を効率よく鍛えられる万能エクササイズです。
しかし実際には、「しゃがむと腰が丸まる」「かかとが浮く」「膝が前に出すぎる」など、思うように動けない人が多いのも事実です。
原因は「筋力不足」だけではありません。
その多くは、足首や股関節の硬さ、そしてヒップヒンジ(股関節の動き)の使い方にあります。
足首が硬いとスクワットは深くしゃがめない
スクワットでしゃがむとき、足首(特に背屈:つま先を上げる方向の動き)がしっかり動くことが重要です。
この可動域が足りないと、
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かかとが浮く
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バランスを取ろうとして上体が前のめりになる
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膝や腰に負担がかかる
といったフォーム崩れにつながります。
✅ チェック方法
壁に向かって片足を立て、つま先を拳1つ分ほど壁から離して膝を前に倒す。
かかとが浮かずに膝が壁につけばOK。
つかない場合は足首が硬い可能性があります。
✅ 改善ポイント
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カーフストレッチ(ふくらはぎの筋肉を伸ばす)
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アキレス腱周囲のマッサージ
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スクワット前に足首を前後に動かすモビリティドリルを取り入れる
股関節の硬さもフォームを崩す原因に
股関節がうまく動かないと、しゃがむ動作が膝主導になってしまい、膝の痛みや腰の丸まりを招きます。
スクワットは「膝を曲げる運動」ではなく、「股関節を曲げる運動(ヒップヒンジ)」であることが本質です。
✅ チェック方法
壁に背を向けて立ち、30cmほど離れた位置からお尻を引いて壁にタッチできるか。
背中を丸めずにタッチできれば、ヒップヒンジがうまく使えています。
✅ 改善ポイント
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ハムストリングスと内もものストレッチ
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股関節まわり(特にお尻・腸腰筋)の動的ストレッチ
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ヒップヒンジの練習(デッドリフトやグッドモーニングなど)
スクワットは「ヒップヒンジ」が命
スクワットを正しく行うには、まず股関節から動く感覚を身につけることが最優先。
ヒップヒンジができないままスクワットをしても、膝ばかりに負担が集中してしまいます。
✅ ヒップヒンジの練習方法
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壁にお尻を向けて30cmほど離れて立つ。
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背筋を伸ばしたまま、お尻を後ろへ引く。
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太ももの裏(ハムストリングス)が伸びる感覚があればOK。
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この姿勢から軽く膝を曲げると、自然と正しいスクワットフォームに。
正しいフォームを身につけるためのステップ
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足首と股関節のモビリティを整える
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ヒップヒンジを意識した基本姿勢を作る
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壁や椅子を使ってフォーム練習
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徐々に可動域を深くしていく
フォームを安定させるためには、柔軟性と動きの感覚を育てることが大切です。
トレーニング前に5分だけでもモビリティエクササイズを行うだけで、スクワットの質が大きく変わります。
まとめ:しゃがめない原因は「硬さ」にある
「筋力が足りない」と思いがちですが、実際は動きの制限=硬さが根本原因であることが多いです。
足首と股関節をほぐし、ヒップヒンジの感覚をつかめば、自然とフォームは整っていきます。
スクワットは「重さを扱う」よりも、「正しく動ける」ことがスタートライン。
動きの質を整えたうえで負荷を上げていくと、ケガを防ぎながら理想のボディラインを作ることができます。
【BasEトレーナーよりひとこと】
スクワットは、下半身の筋トレで終わらず、
「身体の連動性」を高める最高のエクササイズです。
うまくできないときこそチャンス。
動きの制限を見直すことで、身体は確実に変わっていきます。
