なぜ「10回×3セット」が主流なのか?
【トレーニングの基本】
なぜ「10回×3セット」が主流なのか?
——筋肥大・神経発達・漸進性の法則の観点から解説。
パーソナルトレーニングでよく耳にする「10回×3セット」という構成。
実際、BasEでも多くのトレーニングでこの方法を採用しています。
しかし、「なぜ10回なの?」「3セットって何の意味があるの?」と思ったことはありませんか?
今日は、筋肉の生理学的な仕組みをもとに、その理由を解説します。
■ 10回という回数の意味
10回という回数設定は、筋肉を限界近くまで動かせる負荷の目安です。
具体的には、8〜12回で限界を迎える重量(8RM〜12RM)が、
筋肥大を最も効率的に起こすといわれています。
この強度では、
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筋肉内の速筋線維(パワーを生む線維)がしっかり動員され、
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筋繊維が微細な損傷を受け、
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回復の過程でより強く・太くなる(=筋肥大)
というメカニズムが働きます。
つまり「10回×3セット」は、筋肉を成長させるための黄金バランスなのです。
■ 神経発達との関係
トレーニングの初期段階では、筋肉そのものよりも先に神経系の発達が起こります。
簡単に言えば、「筋肉の使い方が上手くなる」ということ。
10回×3セットは、反復回数と休息のバランスがよく、
フォームを安定させながら脳と筋肉の連携(神経適応)を高めるのに適しています。
これにより、無駄な力が抜け、効かせたい部位に正確に刺激を送れるようになります。
■ 「5回以下」のトレーニングは?
一方で、5回以下の高重量トレーニング(1〜5RM)は、
主に筋力向上(最大筋力)や神経発達に効果的です。
これは、筋肉の太さよりも出力を高めるトレーニング。
競技者や上級者がパフォーマンスを上げたいときに取り入れる手法です。
ただし、高重量ではフォームが崩れやすく、
筋肥大を目的とする場合は、フォーム精度を保ちながら8〜12回レンジで行う方が安全かつ効果的です。
■ 負荷のかけ方はいろいろ
「10回×3セット」以外にも、筋肉を追い込む方法は多様です。
たとえば:
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ドロップセット法:限界まで行った後、重量を落としてさらに追い込む
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スーパーセット法:拮抗する筋肉(例:胸と背中)を休まず交互に鍛える
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レストポーズ法:数秒休んでから再開し、限界を超えて刺激を加える
これらは筋肥大に有効ですが、やり過ぎるとオーバートレーニングの原因になるため、
BasEではお客様のレベルに応じて適切に組み合わせています。
■ 漸進性の法則 〜成長し続けるために〜
トレーニングで最も大切なのは、漸進性(ぜんしんせい)の法則です。
筋肉は、与えられた刺激に“慣れる”生き物。
同じ重量・同じ回数・同じメニューを続けていては、
やがて身体は変化しなくなります。
だからこそ、
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重量を少しずつ上げる
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回数やセット数を増やす
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種目を変える
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休息を短くする
といった形で、少しずつ負荷を高めていくことが重要です。
この積み重ねこそが、理想の体を作り上げる最短ルートになります。
■ まとめ
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10回×3セットは筋肥大と神経発達のバランスが最適
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5回以下は筋力向上、15回以上は持久力強化に有効
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負荷のかけ方は1つではなく、目的によって変える
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最も大切なのは「漸進性」——慣れたら、次の一歩を
BasEでは、科学的根拠に基づいた負荷設定とフォーム指導で、
「ただ頑張る」ではなく「正しく変わる」トレーニングを提供しています。
